GBFund (ジービーファンド、G:芸術、B:文化、F:復興/ファンド)は、 2011年3月23日に企業メセナ協議会が立ち上げた芸術・文化による復興支援ファンドです。趣旨に賛同くださった寄付者とともに、今後5年間、被災者・被災地を応援する目的で行われる芸術・文化活動や、被災地の有形無形の文化資源を再生する活動を支援してまいります。

本日3/13朝日新聞朝刊にGBFundについて掲載

本日の朝日新聞朝刊文化面〈甲乙閑話〉に、企業メセナ協議会GBFundについての記事「被災地支援 郷土芸能の底力」が掲載されました。執筆は星野学記者。

「郷土芸能が1位とは。「東日本大震災 芸術・ 文化による復興支援ファンド」の助成内容は意外だった。昨年の89件中31件で、2位の美術(16件)、3位の音楽(12件)を引き離した。被災地支援が狙いとはいえ、ハイアート向けが主流の芸術文化助成で、こんな結果は聞いたことはない。」
と始まる記事。これまでの申請内容の分析と、郷土芸能が多数助成されていることについての考察、「アートによるまちおこし」との比較などにも言及されています。
最後は、「これまでの寄付総額は6千万円、助成は1件50万円まで。こんなささやかなファンドが「志縁」の在り方を問うている」との結び。

取材にいらしてくださった際、赤十字や募金会などのメジャーな義援基金とは2ケタも3ケタも違うことや、文化でも1件当たりが多額の助成もあることなどの、悩みというか実情をお伝えしたところ、「金額の多寡ではないですよ」ときっぱり言ってくださった星野さん。「志縁」という言葉に励まされます。
GBFundはこれからも、趣旨に賛同してくださった多くの心ある寄付者の皆さまとともに、「志縁」を続けて行きたいと思います。
2012年3月13日

※WEB版に掲載されたので下記に転記します。
〈甲乙閑話〉被災地支援 郷土芸能の底力   郷土芸能が1位とは。「東日本大震災 芸術・文化による復興支援ファンド」の助成内容は意外だった。昨年の89件中31件で、2位の美術(16件)、3位の音楽(12件)を引き離した。被災地支援が狙いとはいえ、ハイアート向けが主流の芸術文化助成で、こんな結果はほかに聞いたことがない。
 ファンドは昨年3月の震災直後に企業メセナ協議会が作った。企業や個人の寄付を原資に、申請のあった活動から緊急性や継続性を基準に選考する。興味深いのは申請内容だ。506件中、音楽160件、美術125件、演劇59件と従来型の内容が上位を占める。43件で4位の郷土芸能が、メジャーなジャンルより支援に値すると判断されたことになる。
 震災後、多くのアーティストが被災地を慰問したが、「ありがたいけれど、一度きりだとかえって悲壮感が残る」とこぼす被災者もいる。復興にはコミュニティー再生が欠かせない。「文化の炊き出し」のような一過性のイベントではない、「みんなでつくる」祭りや獅子舞の役割が、はからずも浮かび上がった。
 もちろん、アートも同じ役割を担える。ただ、今回の結果は、アートによるまちおこしが帯びる、どこか教化的な雰囲気へのアンチテーゼに感じられてならない。
 これまでの寄付総額6千万円、助成は1件50万円まで。こんなささやかなファンドが「志縁」の在り方を問うている。(星野学)          
(朝日新聞webより 2012年3月15日10時39分)