GBFund (ジービーファンド、G:芸術、B:文化、F:復興/ファンド)は、 2011年3月23日に企業メセナ協議会が立ち上げた芸術・文化による復興支援ファンドです。趣旨に賛同くださった寄付者とともに、今後5年間、被災者・被災地を応援する目的で行われる芸術・文化活動や、被災地の有形無形の文化資源を再生する活動を支援してまいります。

助成活動一覧

【GBFund 第6回助成活動一覧】
活動名/実施者・団体名(所在地)/実施日/場所/活動内容


相川南部神楽復興プロジェクト

相川南部神楽保存会(宮城県)
2013 年 1 月 4 日以降
相川生活センター(集会所)(宮城県)

★地域住民に親しまれていた相川南部神楽は、道具一式を集会所に保管していたが、津波により建物ごと流失。住民も仮設住宅入居により離散し、現在は活動休止状態である。これまで後継者育成の中心的存在だった若い世代が、「神楽を演じるために」「見るために」地元へ戻るきっかけとすべく、諸道具を整備して2013 年1月から練習を始め、地元の活力を生み出したい。 


天照御祖神社大祭神輿修理事業
花露辺社人組合(賛人会)(岩手県)
2012 年 5 月~10 月末
花露辺町内(岩手県)

★約 300 年の歴史がある唐丹町鎮守の天照御祖神社では、3 年毎に大名行列(釜石まつり)が開催されるが、開催年に震災が発生し用具や衣装が流失。住民も仮設住宅入居で離れ離れとなり、開催が困難となった。次回 3 年後の復興大祭開催をめざし、損傷の激しい神輿を修復して唐丹地区における復興のきっかけとし、集落のコミュニティー再生へつなげていく。 


網地浜熊野神社例大祭・網地浜獅子舞奉納
網地浜獅子舞保存会(宮城県)
2012 年から毎年年間を通し 1 回、定期 3 回と不定期数回(各催し行事、個人祝い事等)
網地島島内全域(宮城県) 

★保存会が拠点を置く網地島は大震災震源地に最も近く、大きな被害を受けた。震災前は島民総出の秋祭りがあり、本土へ働きに出ている若者たちが戻ってきて大漁祈願をしたが、震災により神輿・獅子頭が損傷し中止となった。太鼓や神輿、装束を揃え獅子舞を再び奉納し例大祭を開催することで、過疎化が進む島の伝統を後世に伝える。島民を前向きにし、かつての活気あふれる網地島を取り戻したい

演劇「震災タクシー」とリーディング「瓦礫と菓子パン~リストランテ震災篇」いわき連続上演
特定非営利活動法人 Wunder ground(福島県)
2012 年 11 月 18 日、2012 年 12 月 16 日
いわき芸術文化交流館アリオス小劇場、カンティーネ(福島県)

★福島へ向かう途中に大震災に遭遇し、刻々と変化する被害状況をラジオで聞きながらいわき市入りした劇作家くらもちひろゆき。彼が震災当日からの避難所における食事の記録を丹念に調べて戯曲化した「瓦礫とパン~リストランテ震災篇」をいわき市の俳優をキャスティングしてリーディング上演し、その後パネルトークを行う。本公演を、震災の記憶をそれぞれの形で表現し、後世に伝える意義を住民が考えるきっかけとする。 

「大室南部神楽保存会」再開および伝承
大室南部神楽保存会(宮城県)
2012 年 10 月中旬以降
宮城県石巻市北上町十三浜字大室

★震災ですべての道具を流失した大室南部神楽保存会。多くの若者を指導してきた指導者も、いまだ行方不明である。住民の地域離れも深刻な状況だが、後継者である若い世代が中心となり保存会再建に取り組み始めた。まずは太鼓や神楽面、衣装を揃え、「また戻ろう」「またがんばろう」という気持ちで、秋祭りを目標に活動を再開する。 


大島神社秋季祭典
磯草虎舞保存会(宮城県)
2012 年 9 月 15 日
気仙沼市大島地区(宮城県)

★小中高生を中心に太鼓を演奏し、虎舞を舞う磯草虎舞保存会。大島神社の秋季祭典神輿渡御に巡行し虎舞を奉納してきたが、震災により太鼓などの道具を流失した。震災後は離島者もおり、会員は 3 分の1に激減している。100 年以上前から伝わる郷土芸能を継承すべく、小太鼓などを揃え、祭典に奉納することを目標とする。
  
がんばろう石巻!応援コンサートⅡ  音楽アウトリーチ事業
財団法人石巻市文化スポーツ振興公社(宮城県)
2012 年 6 月~11 月
石巻市内小学校、中学校、高等学校、幼稚園、および施設や企業(宮城県)

★昨年度は学校や仮設住宅集会所などで 75 回のコンサート事業を展開した。今年も児童や生徒、仮設住宅入居者のための無料コンサートを実施する。震災で甚大な被害があった石巻市では芸術文化活動の環境が十分ではなく、いまだ文化事業の開催や市民による文化活動の実施がままならない。当活動を一過性のもので終わらせず、継続的かつきめ細やかに実施することで、芸術文化に触れる機会を市民に多く提供する。


釜石まつり(尾崎神社祭典) 
南部藩寿松院年行司支配太神楽(岩手県)
2012 年 10 月 20 日~21 日
尾崎神社から市内中心地への渡御、釜石湾を曳船する海上渡御(岩手県)

★元禄 12 年より祭典の守護職として先達・露払いを務めてきたが、震災で多くの道具を流失。昨年の GBFund 助成で袢纏を揃えることができたが、太神楽のシンボルである山車と提灯はまだ修復できていない。2012 年 10 月の釜石まつりにむけてそれらを整備し、震災前のように祭典へ参加することが悲願である。地域住民に勇気を与え、地域の復興再生の一助となるよう、取り組む。 


釜谷長面尾崎法印神楽の保存活動
釜谷長面尾崎法印神楽保存会(宮城県)
2012 年 10 月 21 日
石巻市小船越川前仮設住宅集会所、他(宮城県)

★大津波で甚大な被害を受けた宮城県石巻市長面地区。全住民の約 2 割にあたる 100 余名の死者・行方不明者を出した。400 年近い歴史を持つ同地の法印神楽も衣装や舞台が流失し、例祭を見送る考えもあったが、近隣の神楽保存会から道具を借り、2011年秋に仮設住宅集会場で舞を披露した。2012 年は衣装を揃えて公演することで、仮設で暮らす方々の疲れを癒し、地域を勇気づけたい。 


風の布・パピヨン
風の布・パピヨン(京都府)
2012 年 5 月~2013 年 3 月
釜石祥雲支援学校・宮古恵風支援学校・久慈拓陽支援学校・気仙光陵支援学校・共同作業所、他(岩手県・宮城県)

★25 年にわたり、屋外で一枚の布をみんなで染める「野染」と AIDSキルトの活動を実施してきた。三陸沿岸の仮設住宅や保育園などで野染を行い、色留めをした布を地域住民がわけ合う。また野染した布に一匹の蝶を縫いつけて、震災により失われた人や動植物・風景を偲ぶ喪の時間とする。皆で染めること、縫うことを通じて、記憶し、出会い、話を重ねる時間と場所を提供し、心のケアをはかる。 【blog】


久慈備前太鼓の保存保護継承活動
久慈備前太鼓(岩手県)
2012 年 7 月~9 月
主に岩手県北地方(岩手県)

★青森県南部から岩手県北部にかけての地域、および秋田県の一部に伝わる盆踊りをナニャドヤラという。久慈備前太鼓はその保護と継承のため 1993 年に設立し、創作太鼓を組み合わせた演奏も行ってきたが、大震災の津波で稽古場の建物、太鼓やバチなどすべてが流失した。必要な用具を買い揃えることで、地域の行事に一日も早く復帰し、地元の復興の礎となることをめざす。 


「Shared Lines」展
仙台クライストチャーチ実行委員会(宮城県)
2012 年 6 月 22 日~27 日
せんだいメディアテーク、ビルドスペース(宮城県)

★2011 年に自然災害による大きな被害を受けたニュージーランドのクライストチャーチと宮城県仙台市。その経験を共有するアーティストたちが共同で展覧会を開催する。座談会も開催し、両市のアーティストが表現の可能性や、アーティストが担う芸術文化の発信について語り合う。同時期に同様の震災体験をした両国のアーティストがともにメッセージを発信することで、震災で失われた被災地の表現の場を再構築し、持続的な国際交流関係を築く。 【facebook】


下高久地区「獅子舞」映像化プロジェクト
TSUMUGUプロジェクト実行委員会(福島県)
2012 年 7 月~2013 年 2 月
いわき市平下高久地区 (福島県)

★福島県いわき市下高久地区では、秋の祭礼で獅子舞を奉納し五穀豊穣を願ってきた。大震災以降簡素化されているその祭りを、震災前の 2010 年、カメラマン佐藤文郎と大原真介、スタジオ解放区の林僚児が密着撮影していた。人々の演舞が記録されたその映像を、追加取材を加えて編集・発信することで、祭りの記憶と地域の絆をつないでいく。 【blog】


次世代による「戸倉長清水鳥囃子」復興プロジェクト
戸倉長清水鳥囃子保存会(宮城県)
2012 年 11 月 3 日前後(戸倉中学校文化祭)
戸倉中学校、戸倉長清水地区(宮城県)

★起源は定かではないが、宮城県南三陸町の長清水地区には「鳥追い」という行事が伝わった。旧正月の 15 日の前夜から明け方にかけ、子どもたちや若者が各戸をまわる祭りで、少子化のため衰退しかけたが、20 年ほど前から同地区の中学生を対象に伝承が始まった。大津波ですべての道具が流されたが、被災した方々を励まそうとバチを手づくりして舞を披露。獅子頭を揃えるなどして活動を本格化し、復興への気持ちを高めていく。




震災で倒壊した土蔵再生と地域の文化復興拠点づくり里山フィールドパーク実行委員会(東京都)
2012 年 4 月~2012 年 12 月(第 1 期)
十日町市松之山坪野集落(新潟県)

★2011 年 3 月 12 日の新潟長野県境地震により、坪野地区の築 100年の木骨土蔵が損壊した。当活動では地域住民と全国から公募するボランティアが、左官や大工職人など専門家によるワークショップを通じて土蔵を再生する。また修復調査中に偶然発見された獅子頭と新たに制作する衣装により、長らく舞うことができなかった集落の獅子舞も復活させる。土蔵再生を契機に、里山に残る人々の文化・祭事・生活文化資源の役割と活用方法を考察する場をつくりだす。

そこにあることば-東北のいまを記録し伝える-
小森はるか+瀬尾なつみ(岩手県)
2012 年 4 月 1 日~2013 年 3 月 31 日
気仙郡住田町を拠点に気仙地域(陸前高田市、大船渡市、住田町)(岩手県)

★震災後いち早く現地に入り、地域住民に寄り添いながら写真・映像・スケッチ・テキストなどを用い独自の記録活動を続けてきた小森はるかと瀬尾なつみ。2012 年 4 月からは岩手県に移住し、地域住民の日常の中にある会話・しぐさ・景色の変化を丁寧かつ長期的に記録する。同時に活動報告会や冊子制作、ウェブサイト設置など発信作業にも取り組む。

地歌舞伎「一谷嫩軍記」気仙沼公演
一谷嫩軍記 気仙沼公演実行委員会(埼玉県)
2012 年 6 月 23 日~24 日
気仙沼市民会館大ホール(宮城県)

★気仙沼には源平の戦いで名を馳せた埼玉県熊谷出身の武将熊谷二郎直実の子孫が多く暮らす。こうした縁で震災後、熊谷市民有志が気仙沼を訪れた。その際「直実公が登場する歌舞伎を見たい」との声があがり、埼玉県の「熊谷歌舞伎の会」と「小鹿野歌舞伎保存会」が出演する地歌舞伎公演を気仙沼で開催することとなった。震災犠牲者の菩提を弔うとともに、市民が未曾有の大災害から立ち上がり、力の糧となるよう精一杯演じる。 

つなぐ響き  気仙沼~柏崎
越後柏崎日本海太鼓(新潟県)
2012 年 10 月 28 日
柏崎市文化会館アルフォーレ(新潟県)

★大震災後、新潟県柏崎市の日本海太鼓は宮城県気仙沼市へ渡り、被災した大島の太鼓団体「磯草虎舞保存会」と「崎浜美和太鼓」と交流を始めた。2012 年 2 月には 3 つの太鼓団体が競演する演奏会を大島で開催したところ、太鼓団体のみならず住民から喜びの声があがった。同年 10 月に今度は柏崎へ大島の 2 団体を招待して演奏会を開催することで、被災した人々を励まし、大島の活力を取り戻す一助としたい。 

津波で損なわれた写真の修復活動
フォトサルベージの輪(千葉県)
2011 年 4 月 20 日~2013 年 3 月末(予定)
名取市・岩沼市を中心に、被災地全域(宮城県)、市川市(千葉県)

★震災・津波で損傷した写真を持ち主から直接預かり、デジタル化、専用ウェブサイトを通じて全国のボランティアが修復作業を行う。よみがえった写真は印刷して持ち主に返却する。インターネットを活用することで、被災地に行けない人でも在宅でボランティア活動を行うことができる。1 枚の写真にこめられた物語と「色褪せない思い出」をよみがえらせ、被災者の心のケアをめざす。 

デイリリーアートサーカス 2012
デイリリーアートサーカス 2012 事務局(山梨県)
2012 年 9 月 10 日~10 月 1 日
岩手、青森、宮城、福島、茨城、兵庫、京都、愛知、神奈川、東京、埼玉、など

★アーティスト開発好明による東日本大震災復興支援プロジェクト。2011 年は義援金を集めて東北に向い、被災地域の小中学校や避難所をまわって、<触る><感じる>を無料で体験できるアート活動を展開した。2012 年はトラックにアート作品を詰め込み、日本列島を東から西へ移動しながら展覧会を行う。東日本を出発して日本を縦断することで、人とまちをつなげていく。 

虎舞継承活動のための山車製作
平田青虎会(岩手県)
2012 年 6 月~2013 年 5 月
岩手県釜石市市内 (岩手県)

★祭事に使用する山車をはじめ、道具の一切が大津波で流され、長く続いてきた虎舞も継承が困難となった。その後、各所からの支援で備品の購入と山車の製作は実現できたものの、山車を収納する小屋は大きく破損したままで、山車は雨ざらしの状態が続いている。山車を雨風から守るため、応急処置ではあるが塗装処理をして、伝統芸能の継承に努める。 

長塩谷南部神楽復興プロジェクト
長塩谷南部神楽保存会(宮城県)
2013 年 1 月以降
練習実施場所:しらさぎ台コミュニティーセンター(予定)、所在地:石巻市須江字しらさぎ台(宮城県)

★大正末期から地域の人々に親しまれた南部神楽だが、津波によりすべてを流失。会員の命も奪われ、存続の危機に直面するも、残された会員や亡くなった会員の家族の特に若い世代が、地域が愛した神楽を存続させたいと願い活動再開に踏み切った。いまは残された資料をもとに練習を重ねるが、早く道具や衣装を揃えて、地域全体で協力しながら次世代へ継承していく。 

箱崎まつり・箱崎虎舞復興プロジェクト
箱崎虎舞保存会(岩手県)
2012 年 10 月第 3 土・日曜日(釜石まつり)、2013 年 4
月 5 日(箱崎地区例祭)
箱崎神社(岩手県)

★岩手県釜石市箱崎町では、航海の安全と大漁を祈願する虎舞が人々の心の支えであった。しかし大津波で高台の住宅をのぞいたほとんどの住宅が流失し、被災者が仮設住宅へ転居したため、地域コミュニティーの保持が困難となり、虎舞も存続の危機に直面している。流された衣装や道具を揃えて虎舞を復活することで、漁業を中心とした活気ある集落を取り戻す。 

東松島市大曲浜  復興獅子舞プロジェクト
大曲浜獅子舞保存会(宮城県)
2012 年 5 月~2013 年 4 月

★東松島市内仮設住宅団地、福祉施設等(宮城県)
宮城県東松島市大曲浜地区の獅子舞は約 350 年前から伝わるとされる伝統芸能で、毎年正月に遠洋漁業に従事する保存会員が集まり家々をまわっていたが、大津波で神社に保管していた獅子頭や太鼓、笛、法被など祭具のすべてが流失し、住民にも多くの犠牲者が出た。住民の生きる希望、心の支えとなるよう獅子舞を復活させ、後継者の育成にも取り組んでいく。 

被災地の再生にむけた民間歴史資料救出・修復プロジェクト
歴史資料ネットワーク(兵庫県)
2012 年 7 月 1 日~2013 年 3 月 31 日
宮城資料ネット事務局(宮城県)、茨城史料ネット事務局(茨城県)など

★家族のアルバムや日記帳、古文書や民具、自治会文書など民間の歴史資料は地域固有の文化資源であり、救出再生されることが強く求められている。昨年の GBFund 助成により、宮城資料ネットに一時保管された被災資料の洗浄・修復ができた。しかし震災  1年を経て継続的に作業する人員と保管場所の確保、内陸部の損壊した家屋に残された歴史資料の廃棄散逸が新たな課題である。専門的知識・技術を持ったボランティアが引き続き活動を強化するとともに、公的なケアが手薄な地域へ重点展開していく。 

PRAY + LIFE~ふくしまの声
PRAY + LIFE (pray for a future + life is coming back) (福島県)
通年(2012 年 5 月 27 日~2013 年 5 月)
インタビュー:いわき市を中心とした福島県内外、座談会:いわき市内(福島県)・全国各地

★福島在住のアーティスト藤城光が、震災にかかわる体験を聞きとり、文章化した物語を、「ふくしまの声」としてウェブサイトに掲載し、冊子を制作して発行する。また座談会やトークイベントも開催する。震災や放射能のことを容易に口にできないなか、話すこと、文章を読んで共感することを通じて、個々が抱える気持ちの負担を軽減し、心のケアへとつなげたい。 

舞台芸術専門講座  ウォーキング ARC>T
Art Revival Connection TOHOKU(宮城県)
2012 年 5 月 28 日~2013 年 3 月 31 日
せんだい演劇工房  10-BOX(宮城県)

★東北地方で芸術文化活動を志す人たちを対象とした舞台芸術専門講座を開催する。第一線で活躍する人たちを講師に迎え、ともに学び考える場をつくり出すことで、東北の舞台芸術のあり方や改善点を認識する機会とし、また一般市民、特に若い世代へ広く参加を呼びかけて、人材育成をはかる。震災で一次停滞した東北の舞台芸術の活性化へとつなげていく。 

「2011.3.11  平成の大津波と博物館」シンポジウム
公益財団法人岩手県文化振興事業団
2013 年 2 月 10 日~11 日
岩手県律博物館講堂(岩手県)

★東北地方沿岸部の博物館施設および文化財等資料も大津波で深刻な被害を受けた。当面は生活再建が最優先だが、今後は地域の文化を支えてきた博物館施設の復旧も不可欠となる。沿岸部博物館施設の復旧状況を報告する基調講演と、各県の博物館・文化財関係者による議論を行うシンポジウムを開催することで、被災した博物館が抱える今後の課題や必要な支援を明確にし、地域の記憶を未来につなぐ文化財資料の重要性を再確認する。 

盆踊りによる絆の再生と伝統文化の次世代継承事業
特定非営利活動法人まちづくり NPO 新町なみえ(福島県)
2012 年 6 月~8 月
福島市仮設住宅、二本松市仮設住宅、本宮市仮設住宅(福島県)

★2006 年、浪江地区で長らく途絶えていた権現堂の盆踊りが復活したが、大震災が起こり、原発事故によって避難を余儀なくされた。故郷への帰還の目処が立たず、復興への道筋も不透明な中で地域のつながりは失われつつあるが、盆踊りを開催することで避難住民同士の故郷への気持ちをつなぎとめ、絆を再確認する。いずれ故郷への帰還がかなった際に、郷土芸能を次世代へ継承できるよう活動を継続する。

女川常夜灯
対話工房(宮城県)
2012 年 8 月 15 日
女川おちゃっこ倶楽部、女川町復興商店街、女川町
旧市街地(宮城県)

★女川町は津波により大半の市街地が流失。道路の区切りと建物の基礎の跡から、震災前は多くの人々が生活を営んでいたことが想像できるが、夜になると暗く静まりかえる。津波に流された戸数分の小さな「焚き火」を、かつては建物があった敷地に据える。荒涼とした土地にちらちらと灯る火を囲み眺めることで、過去を想い、今日の命に感謝し、明日を生きる力に変えていく。 【facebook】

森のアート海のゲイジュツ in TOHOKU
ARTS for HOPE(東京都)
2012 年 7 月 24 日~8 月 18 日
岩手県立県南青少年の家(岩手県)または宮城県蔵王自然の家(宮城県)

昨年約 130 回のアートプログラムを被災地で実施してきた団体による、被災地の子どもを対象にしたアートキャンプ。夏休みを利用して子どもたちを招待し、自然豊かな環境でストレスを緩和させる。またアートワークショップによる表現活動で、心の安定や回復をはかる。自然を題材とするアーティストをナビゲーターにむかえて、作品制作をし、野外展覧会を実施する。

本吉法印神楽復興プロジェクト
本吉法印神楽会(宮城県)
2012 年 9 月 14 日(上山八幡宮例祭)、2013 年 10 月第 3 日曜日(戸倉神社例大祭)他、南三陸町内 6 神社(古峰、保呂羽、荒沢、荒島、上山八幡、戸倉の各神社)等(宮城県)

★岩手、宮城県沿岸部の一地方に伝わる法印神楽のうち、宮城県南三陸町に拠点を置く本吉法印神楽は祖流の一つといわれている。その発祥の地とされる同町戸倉地区は大震災の大津波で甚大な被害を受け、神楽に関する資料・用具と神楽を奉納してきた戸倉神社の、本殿以外がすべて流失した。衣装や道具などを揃えて、以前のように各神社の例大祭で神楽を奉納することで、復興に向かって立ち上げる力を地域の人々へ与えたい。

「Referendum-国民投票プロジェクト」再演  東北ツアー
Port B(埼玉県)
2012 年 8 月 20 日~30 日(予定)
相馬、南相馬、会津若松、郡山(福島県)、仙台、石巻、気仙沼(宮城県)、他

★昨年 GBFund 助成により実現した移動型演劇プロジェクトを発展させた取り組み。福島・宮城の中学生に「いま一番ほしいものは何ですか?」などのインタビューを実施して、その映像を DVD 化し、映像インスタレーションとしてキャラバンカー内に展示。鑑賞者はそれを自由に選んで再生することができる。また、中学生が受けた同じ質問に筆記で答え、投票することもできる。映像の鑑賞と投票行為により、人々の交流と対話の機会をつくり出す。 

第 6 回やっぺし祭り やっぺし祭り実行委員会(東京都)
2012 年 7 月 7 日
おおふなと夢商店街(岩手県)

★2011 年 5 月 29 日から不定期に開催されている、文化祭的アートイベントの第6 回目。未来芸術家の遠藤一郎と大船渡出身の現代アートコレクターの石鍋博子が「なにか夢中になれるもの、心から楽しむ時間」を創出する必要性を感じたことから始めた。毎回多数のアーティストや芸術系大学、高校が参加し工作教室や絵画教室、書道展、ライブペインティングなどを実施する。「アーティストやアートワークが子どもを元気にする」を第一義に、今後も継続して活動していく。 【facebook】



公益社団法人企業メセナ協議会第 6 回 GBFund選考委員会概要
開催日程: 2012 年 5 月 28 日(月)
選考委員:片山正夫(セゾン文化財団常務理事)、加藤種男(企業メセナ協議会専務理事)、俵木悟(成城大学文芸学部文化史学科准教授)、船曳建夫(文化人類学者)、吉本光宏(ニッセイ基礎研究所主席研究員・芸術文化プロジェクト室長)
採択件数: 37 件、助成総額:1,435 万円
    【第6回助成活動一覧を含むプレスリリースはこちら

【GBFund 第5回助成活動一覧】
活動名/実施者・団体名(所在地)/実施日/場所/活動内容

明土権現悪魔払い(権現様の保存と加茂神社例大祭奉納行事)
明土権現(岩手県)
毎年お正月の悪魔払い、加茂神社五年例大祭
明土地区および大船渡市全域

★大震災で権現様(獅子頭)や太鼓、装具等はすべて被災したが、幸い権現様は流失を免れ、がれきの中から見つかった。明土権現は子ども主体のかわいらしい「子ども権現」で、大人は笛や太鼓のサポート役。毎年元旦、幼児から高齢者までが権現様を奉る収蔵庫に集まって町内を一巡、悪魔払い(獅子舞)を行い賀茂神社に奉納してきた。破損した権現様を修復し、震災復興と無病息災を祈願する悪魔払いの一日も早い再開をめざす。

石巻ロックフェス実行委員会(東京都)
2012年10月
サン・ファンパーク(宮城県石巻市)

★石巻ロックフェス実行委員会は震災後の5月に結成。ボランティア含む約60名体制で10月に第1回フェスを実現し、東日本を代表するライブハウスバンド26組、観客2000名が参加した。その名の通りRock(石)and Roll(巻)なまちで、ライブハウスバンドのダイヤの原石に出会える“ロックの聖地”たることをめざし、被災地を代表する鎮魂・復興フェスの開催に今年も取り組む。Twitter

大浜の獅子振り・春祈祷復興プロジェクト
大浜地区青年部八日会(宮城県)
2012年1月4日以降、毎年1月4日(予定)
宮城県石巻市雄勝町大浜地域

★石巻市大浜地区では毎年正月、神社に氏子が集まって参拝し、「獅子振り(獅子舞)」で地区の家々を回って悪魔を払う「春祈祷」が行われてきた。しかし大津波で地域は壊滅。伝承してきた希少な獅子頭(テレボク)は流され、行事を担ってきた住民も離れ離れに暮らす。獅子頭を造り直し、春祈祷を再開することで郷土芸能を継承し、住民の“心の中の大浜”をつないでコミュニティーを維持し、地域の復興再生の大きな力にしていきたい。参考情報

片岸虎舞復興プロジェクト
片岸虎舞保存会(岩手県)
2012年10月9、10日(予定)(片岸神社祭典)
片岸神社(岩手県釜石市)

★地震と津波により全滅的被害を受けた釜石市片岸地域。200余年の歴史を有し、五穀豊穣や大漁万作の霊験あらたかとされ、地域全戸をあげて行われてきた「片岸虎舞」も、装束や集会場、倉庫が流され、活動が完全に止まってしまった。地域の伝統を絶やすことなく、一日も早く装束を揃えて被災住民の前で迫力ある虎舞を復活披露し、地域の元気を取り戻したい。2012年10月の片岸稲荷神社の祭典に向け、復興への第一歩を踏み出す。

被災地の文化財レスキュー
学校法人東北芸術工科大学(山形県)
2011年12月~2012年3月
東北芸術工科大学文化財保存修復センター

かねてより地域文化遺産の保護活動を推進してきた東北芸術工科大学文化財保存修復センターは、絵画や古文書など多数の資料を保存修復した実績を持つ。震災後は文化遺産の被害状況を調査し、緊急措置と本格的な修復を行う流れを組織化。2011年12月から2012年3月までは、津波の被害を受けた宮城県の高校と陸前高田市立博物館からの図書資料約4000冊と、石巻文化センターの美術作品75点の応急措置を急ぐ。

長唄三味線に親しむ会
杵家会釜石支所(岩手県)
2012年4月~2013年3月
三洋館(岩手県釜石市)、市民文化会館(岩手県釜石市)ほか

★2002年より、地元在住の講師による岩手県唯一の長唄三味線子ども教室を運営し、教育現場での指導も含め、2400名の子どもたちを教えてきたが、このたびの大津波で指導者は被災あるいは犠牲となり、保管していた三味線と撥はすべて流出した。継続をあきらめていたが、子どもたちから教室再開を望まれ、それが教える側の心の支えにもなっている。被災した子ども、市民、指導者らの励みになることを願い、道具を揃えて活動の再開をめざす。

2012年4月~11月
堤町まちかど博物館(宮城県)

★藩政時代の仙台城下で生まれた「堤焼」は、都市化で衰退し最後の佐大窯の六連登り窯(大正7年築)も昭和50年代で火を落とした。建築と子供たちネットワーク仙台はこれを歴史的建造物として動態保存。子どもが建築やまちづくりを考え、職人とかかわり手仕事の楽しみを体験する博物館として整備し、地域に賑わいももたらしたが、震災で窯が被災。貴重な堤焼遺構を未来に伝えるため、2年かけ子どもたちと職人、大人で窯を修復する。

光大寺三匹獅子舞復活事業
光大寺三匹獅子舞保存会(福島県)
2011年11月9日~2012年4月8日
光大寺薬師堂(福島県田村市)

★200年以上の歴史を有する田村市指定無形民俗文化財の「光台寺の三匹獅子舞」は、大地震と余震で奉納舞の披露の場である光大寺薬師堂が傾き、建物下の石垣が崩れる被害が発生した。震災と原発事故の影響で2011年度は年中行事が中止されたが、このままでは地域の宝が途絶えてしまう。復活には建物の傾きと石垣の修繕が不可欠であり、地域全戸で協力して修復を進め、来年の春・秋季例大祭での奉納舞の復活をめざす。

 
一般社団法人実践教育訓練研究協会(東京都)
2012年4月~2013年3月
大船渡市(教材執筆依頼予定の気仙大工研究所・平山憲治氏居宅)、学校予定場所:岩手県陸前高田市

★岩手県南部の沿岸部は古くから「気仙」地方と呼ばれ、建都1300年の歴史を持つ。出稼ぎ大工として全国で腕を振るった「気仙大工」は、平泉黄金文化の「彦金遺跡」「気仙杉」「気仙船大工」とともに独自の文化を生んできたが、震災によって伝統大工建物が流失。多くの工務店や職人の被災、訓練校全校の被災等で、気仙の伝統文化の継承が危機にある。気仙大工の伝統を継承し文化を伝える「(仮称)気仙学校」の再生・立ち上げ構想にあわせ、気仙の歴史文化を伝える教材テキストを作成する。

城山虎舞(岩手県)
2012年9月22、23日
小鎚神社境内(岩手県上閉伊郡大槌町)、大槌町内一円

★1996年発足の「城山虎舞(しろやまとらまい)」は、大津波の被害で、会館・虎頭・太鼓・山車・衣装・小道具等が被災。しかし、子どもや若者が将来的に虎舞を伝承していくことが大槌町復興再生の原動力となるとの信念で、2011年秋の祭典で見事に復興の一歩を踏み出した。引き続き道具を揃え、復帰が決まった児童・生徒とともに2012年の大祭をめざす。

権現様による悪魔祓い行事
蛸ノ浦地域公民館(岩手県)
2012年1月1日
大船渡市赤崎町字蛸ノ浦地域内 残っている家と仮設住宅、蛸ノ浦小学校校庭

★「悪魔祓い」は古くから正月三が日に地元住民によって行われてきた、年頭の祈りと住民同士の絆を確かめ合う行事。獅子舞が地域全戸を廻り新年の厄災を祓う。本来は早朝に神社へ獅子舞を奉納するが、震災を受けて神社は地盤沈下で水没し、参拝や奉納が困難な状況にある。破損した太鼓を修繕し「悪魔祓い」だけでもしっかり行うことで、仮設で離れ離れの地域住民の結びつきも立て直し、蛸ノ浦地区の新たなスタートとしたい。

特定非営利活動法人ダンスボックス(兵庫県)
2012 年3 月15 日~3 月31 日
いわき芸術文化交流館アリオス(福島県いわき市)

★震災後交流のあったいわき総合高等学校の生徒と、阪神・淡路大震災を経験した神戸の振付師などが、一緒にダンス作品を創作し、成果上演を披露する。高校生の身体に蓄積されている痛みや不安をダンス表現に昇華するとともに、震災後抱える問題を広くいわき市民と共有。アフタートークを実施し、お互いの経験を分かち合いながら、未来にむけてともに語る場をつくる。
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TohokuCraft(東京都)
2012年4月~2012年12月(予定)
宮城県石巻市周辺にある仮設住宅集会所を中心

★被災者が編み物や布を使って思いを形にし、生きる活力をつくりだすワークショップを、石巻市周辺の仮設住宅集会所などで開催する。2011年5月から活動を開始。今回は2012年4月から12月までに5回実施する。現地の講師を招き、子どもからお年寄りまで世代を越えたコミュニティーを形成し、経済的自立に向けたものづくりの可能性も探れるよう、継続して活動していく。

悪魔払い(獅子舞の保存伝承、八坂神社および尾崎神社例大祭奉納行事)
中赤崎獅子舞保存会(岩手県)
毎年お正月の悪魔払い、八坂神社(毎年7月)、尾崎神社例大祭(五年祭:5月)
中赤崎地区および赤崎町全域(岩手県大船渡市)

★悪魔払いはお正月の伝統行事として親しまれており、住民の交流と郷土芸能の保存伝承のために欠かせない。朝9時に獅子舞保存会(自治組織)会員、小中高生と大人が約70名別当に参集。各家庭の庭先で獅子舞を一節舞い「チョイコラサー」の掛け声をあげながら土足で縁側から屋内に入り玄関から出て悪魔を追い出す。震災で獅子頭や太鼓を流失したが、がれきの中から発見し現在修復している。復旧・復興を祈願し、悪魔払いを執り行うことで、地域の絆を確かめ合い復興への気持ちを高めていく。参考情報

永浜の権現様復活事業
永浜契約会(岩手県)
2012年1月、5月
永浜地域、赤崎町式年大祭(岩手県大船渡市)

★大船渡市赤崎町永浜地区には、古来入り江西側から部落全体を見守るように部落の守り神様として「嚴島神社」が建立されているが、その神輿の先陣を御先払いとして参加していたと考えられるのが、永浜の権現様である。5年に1回の赤崎町式年大祭にも新しい神輿の先陣として参加、毎年の正月も部落全戸を子どもたちと公民館若衆が「悪魔払い」として回る風習が継承されている。津波で権現様、大太鼓、子太鼓、鼓、衣装が被災したが、修復を進めている。太鼓の修復で活動の復活をめざす。

大船渡の紙本修復家支援を通した地域文化および行政資料の継承
特定非営利活動法人nature center risen(東京都)
2012年1月~2012年6月
金野聡子氏アトリエまたは福祉センター、宮城県塩竈市役所、東京の図書館(場所未定)

★岩手県大船渡市で文書や都書類の治療修復事業を行っている金野聡子氏の支援を通し、地域の歴史を振り返り結束を促すための文書の修復を行い、修復処置を施した史料を、関連自治体の図書館や博物館等に寄贈する援助を行う。文書復旧では、重要文化財や被災者に戻したい写真類の修復が優先的に進められてきたが、未処置の文書類・書籍類の修復も急務であり、修復作業補助者を募るための技術講習会も開催する。

映画「なみのこえ」製作委員会(宮城県)
2011年11月~2012年9月
せんだいメディアテーク(宮城県仙台市)、東北地方沿岸部

★震災後いち早く現地入りし、津波被災者を丹念に取材し記録した前作「なみのおと」は、山形国際ドキュメンタリー映画祭2011で上映されるなどして注目を集め、高い評価を受けた。今作「なみのこえ」では“体験と伝承”をテーマとし、岩手から福島までの東北地方東沿岸部をまわって被災者の体験をインタビューする他、「みやぎ民話の会」による採話活動の様子を記録する。

八雲神社祭典、綿津見神社祭典、夏の港まつり、釜石まつり(尾崎神社祭典)
南部藩寿松院年行司支配太神楽(岩手県)
2012年4月、6月、7月、10月
只越町只越集会所が震災で流されたため、胴取(代表者)宅他周辺の会員宅等を使用

(岩手県釜石市)
★毎年10月第3日曜日の「釜石まつり」は、2神社の神輿が合同で市内を渡御し、お供の神楽や虎舞が練り歩く勇壮な祭り。「南部藩寿松院年行司支配太神楽」は、元禄12年より常に祭典の守護職として先達・露払いを務めてきたが、震災で只越地区は跡形なく流失。半纏や太鼓、衣装、道具を失った。仮設で住民がばらばらになり、悪魔払いでの地域住民との交流もかなわなくなったが、2011年の釜石まつりは衣装・道具が不十分ななか参加。団結し地域住民に元気・勇気を与えられた。今後の祭りは揃いの半纏姿で元気に踊り、地域の復興再生の力となりたい。参考情報

東前太神楽伝承者の育成事業
東前太神楽(岩手県)
2012年6月、10月
綿津見神社祭典、尾崎神社祭典、釜石祭り(岩手県釜石市)

★地元の青年たちによって長く伝えられてきた釜石市の「東前太神楽」は、「東前太神楽の舞」と「東前七福神の舞」から成る。後者を担うのは子どもたちで、小学2年生から6年生の生徒らが大黒天や弁財天に扮して招福を祈願する。その子どもたちの衣装が、3月の大津波ですべて流されてしまった。子ども用の印半纏などを新たに揃え、子どもたちに伝統の担い手としての自覚を持たせ、郷土芸能の保存と伝承をめざす。

Koi  鯉 アート のぼり
福島大学 芸術による地域創造研究所(福島県)
2012年3月12日〜5月31日
福島空港ターミナル、空港公園(福島県石川郡玉川村)、いわき市立美術館、郡山市立美術館、福島県立美術館、福島県立博物館

★震災発生の3月以降、震災の被害を受けた幼児、小学生に対し「鯉アートのぼり」をテーマに活動を行ってきた。鯉は里の魚。里は田(農地)の神を土(杜)で祭る。子どもたちの立身出世、成功を祈願した「鯉の滝昇り」の図柄もある。鯉が龍となるよう明日に向かって登るエネルギーを子どもたちと育みたいとの願いから、大規模な展覧会と講演会、ワークショップ、パフォーマンスを実施する。外で遊ぶのが難しい状況下、子どもたちの内なる思いを発露させるとともに、福島復興のシンボルとして、活動の展開をはかる。見えないものによる不安を、見えるものの力で元気づける。

プロジェクトFUKUSHIMA! オフィシャル映像記録制作
プロジェクトFUKUSHIMA! オフィシャル映像記録実行委員会(福島県、東京都)
2011年12月16日~、2012年3月~5月
撮影:福島市、郡山市、沿岸部等福島県複数カ所、上映:フォーラム(福島市)、いわきburrows、Peak Action(郡山)、渋谷UPLINK、吉祥寺バウスシアター等

★「FUKUSHIMA」の問題を世界の人々と共有すべく活動する「プロジェクトFUKUSHIMA!」唯一の、オフィシャル映像記録を制作するプロジェクト。単なる記録映画ではなく、ありのままの福島を伝えることで、多くの人々と原発事故による放射能汚染問題や今後の社会のあり方について探求することを目的とし、福島市民との意識共有や国外へのアピールをめざす。「プロジェクトFUKUSHIMA!」を推進する著名なプロの表現者と、市井の人々という両面からフクシマの問題を掘り下げる。

記憶と記録―3.11とアーティスト(仮)
財団法人水戸市芸術振興財団(茨城)
2012年10月13日~12月9日
水戸芸術館現代美術ギャラリー(茨城県)

★3.11を受けてアーティストら表現者が行なった活動を、被災地における美術館として一所にまとめて振り返る機会を設ける。展覧会と記録集というメディアによって、「記憶に残る形」で残すことを第一の目的とする。展覧会は、鑑賞者がアーティストの活動を見つめることを通して自らの3.11の記憶を探り、未来へ紡いでいく装置とし、記録集は展覧会で紹介しきれないものも含め、活動のアーカイブの書籍とする。アーティストが個々の活動を検証する機会となり、さらなる活動の糧となることも願う。

会津田島祇園祭
南会津町伝統芸能活性化実行委員会(福島県)
2012年7月22日~24日、毎年6月、9月
会津田島駅前ロータリー(福島県南会津町)

★800年以上昔から脈々と受け継がれている会津田島祇園祭(国の重要無形民俗文化財)の「しゃんぎり」が、震災によって、三味線の皮が破れる、横笛が割れる、楽譜が散逸するなどの被害を受けた。しゃんぎりは、子供歌舞伎を上演する屋台でのお囃子を担っており、2011年度はカセットテープの録音伴奏でしのいだ。奏者の高齢化も進むなかで、早急に楽器・楽譜を復旧し、後継者育成に役立てるとともに、来年度以降の完全復活をめざす。

失われた風景の中に「くらしの語り文庫」をー記憶の声を声の記録へ
みやぎ くらしの語り文庫(宮城県)
2011年12月~2012年8月
沿岸部の津波被災地(福島県新地町、宮城県山元町・塩竈市・南三陸町など)

★被災体験とともに、失われた、あるいは残された人とくらしの姿を、長年その地域に暮らす語り手が語り、歴史の証言として、音声資料・映像資料・文字テキストを保存するプロジェクト。例えばおじいちゃんの語りを、今後生まれてくる孫がいつでも自由に未来で聞くことができるように、口述資料は話者の手元で伝承され、せんだいメディアテークでも登録保存される。

大槌・向川原虎舞復興プロジェクト2
向川原虎舞風虎会(岩手県)
2012年9月(予定)
小槌神社(岩手県大槌町)

★津波で地域が壊滅的な被害を受け、毎年 9 月秋分の日頃に行われる小鎚神社の例大祭は開催が危ぶまれたが、2011年見事に実施された。1947 年の発足以来青年が伝承を担い地域の結束力と誇りを高めてきた「向川原虎舞風虎会」も大津波で道具が流出するなか、復活に取り組んだ。次回の祭りでは今後を継承していく子どもたちが参加できるよう、その衣装を整備する。

桃・柿育英会 東日本大震災遺児育英会 「芸術・文化課程への進学援助」
桃・柿育英会 東日本大震災遺児育英資金 事務局(大阪府)
2012年~2022年
岩手県、宮城県、福島県

★「桃・柿育英会 東日本大震災遺児育英会」は、東日本大震災による遺児や孤児の成長を見守り、励まし、教育を受け学ぶ意欲を支えたいとの思いで立ち上げられた。「芸術・文化課程への進学援助」カテゴリーでは、音楽、舞台芸術、美術、建築等を専門とする大学、短大、専門学校、高校などに進学を希望する遺児に対し、被災3県の自治体を通じて奨学支援する。東北に蓄積された文化の血脈をもとに優れた芸術を生み出してきた東北の地で、これからの日本の芸術・文化を支えていく子どもたちの学ぶ意欲を支えていく。


大槌、陸中弁天虎舞
陸中弁天虎舞(岩手県)
2012年9月(予定)
小槌神社(岩手県大槌町)

★1974年に大槌町赤浜の若者数十人により結成された「赤浜虎舞」が、その後大槌湾の真ん中に浮かぶ蓬莱島に祀られる弁天神社に、和藤内の大神宮のお札と吉里吉里善兵衛ゆかりの品が納められたことを契機に「陸中弁天虎舞」と改称、現在に至る。開催が危ぶまれた2011年9月の小鎚神社例大祭では最低限の道具・衣装で復活できたが、来年の祭りに向け、子ども用衣装や笛、桃灯などを準備する。できる限り陸中弁天虎舞を継承し、後輩や子どもたちに伝えていく。

厳島神社まつり 正月元旦の初踊り

両石虎舞保存会(岩手県)
2012年1月1日、10月25日~26日
両石地域内に残っている家と仮設住宅(岩手県釜石市)

★漁業を営む船頭衆が厳島神社に奉納する「両石虎舞」は、航海安全や大漁を祈り寿ぐ郷土芸能。秋祭の日、住民は神社に早朝から参拝し虎舞を奉納、その後各家を門打ちして回る。元旦は海岸で新年の初踊り。震災で虎頭が半分に割れ、太鼓、半纏、子どもの振袖等が流出してしまったが、虎頭を修復し、危機的な状況にある集落のつながりを保ち、復興に対する住民の士気を奮い立たせコミュニティーの元気を回復するために虎舞を復活し、2012年元旦に例年どおりの大漁、安全祈願を執り行いたい。

【第5回助成活動一覧を含むプレスリリースは
こちら
(選考日:2011年12月13日、採択件数:29件、助成総額:1122万6254万円)

【GBFund 第4回助成活動一覧】
活動名/実施者・団体名(所在地)/実施日/場所/活動内容


永浜鹿踊保存会事業
永浜鹿踊保存会(岩手県)
2011年8月~
岩手県大船渡市

★先祖から長く受け継がれてきた大船渡市指定無形民俗文化財の「永浜鹿踊(ししおどり)」は、3月11日の大津波で装束および道具一式を流失し、伝承活動が困難になっている。復活には多額の資金と時間が必要だが、五年祭や各種郷土祭への参加、新盆供養の「位牌褒め」を目標に、活動再開をめざす。

門中組虎舞復興事業
門中組振興会(岩手県)
2011年7月24日~
岩手県大船渡市末崎町、門之浜・中井地域

★鎌倉時代から五穀豊穣・悪魔払い・大漁を願って熊野神社に奉納されてきた「虎舞」は、地域住民総出で準備し1か月におよぶ「大祭年」や元旦の地域全戸悪魔払い等、地域に欠かせない郷土芸能だった。大津波で装束や伝承館が被災したが、伝統を絶やさぬよう一日も早く虎舞を復活し、地域の元気を取り戻す。

「四倉ねぶた」の復興支援
特定非営利活動法人よつくらぶ(福島県)
2011年8月1日~2012年3月11日
福島県いわき市四倉町

★1984年に誕生し、いわき4大祭りの一つとして県内外から観光客が多数訪れていた「四倉ねぶた」は、津波で保管庫が被災しねぶたが流失。原発事故の影響もあり、28回目の祭りは中止となった。津波で流失し閑散とした地域に元気と活気と光を取り戻すべく、来年の夏祭り復活に向けて四倉ねぶたを復興する。

負けねぇぞ、黒森神楽!復活公演in宮古
黒森神楽保存会(岩手県)
2011年9月~
岩手県宮古市、岩手県三陸沿岸域

★岩手県宮古市の黒森神社に伝わる山伏神楽で、「巡業」という形体を江戸時代初期より伝承する、国の重要無形民俗文化財「黒森神楽」。震災で多くの祭礼が中止される中で神楽を伝承・保存していくためにも、津波で流失した装束を整え、地域の神社祭礼への奉仕活動を再開し、伝承活動の継続をめざす。

宮城楽器BANK
宮城県吹奏楽連盟(宮城県)
2011年4月3日~2012年3月31日
東北高等学校音楽部(楽器送付先)

★太平洋沿岸にある宮城県吹奏楽連盟加盟の小中学校が津波で大きな被害を受けた。直後から楽器寄贈の申し出が多数寄せられたため「宮城県楽器BANK」を立ち上げ、HP上で全国に楽器提供を呼びかけたところ、500本超の楽器が寄贈された(現在楽器受付は終了)。寄贈のため修理・調整作業を行う。


石巻ワンダー横丁~アートとハートのコミュニティー~
石巻ワンダー横丁(宮城県)
2011年8月~12月まで(以降も継続予定)
宮城県石巻市「石巻ワンダー横丁」(旧ボーイズギャラリー」)

★甚大な被害を受けた石巻地域で、未来や夢に向かって力を合わせて好きなことにチャレンジできるコミュニティー「石巻ワンダー横丁」を立ち上げた。地元住民と全国のアーティスト、クリエーター、音楽家らでともに運営し、商店街のシャッター・看板のペイント、仮設住宅の手作り表札作成、音楽会などを実施。心のケアだけでなく、にぎわいや職の創出もめざす。

東日本大震災を語り継ぐために、被災体験を語り、聴き、胸に刻むつどい

みやぎ民話の会(宮城県)
2011年8月22~23日
宮城県南三陸町「ホテル観洋」

★伝承の語りに関心を寄せる人々が地域の語り手から民話を聴く「みやぎ民話の学校」が、今年は、被災した語り手らが「津波を語る」学校を開く。歴史の証言として震災体験を語り残したいと願う語り手にその場を提供し、語りを聞いて体験を共有したいと願う地域の方々にもその機会を提供する。未来の民話がここから生まれていく。


社人会復興事業
社人会(岩手県)
2011年9月25日
岩手県上閉伊郡大槌町

★津波と火災で壊滅的被害を受けた岩手県大槌町の小鎚(こづち)神社は、17世紀製の2基を含む4基の神輿が奇跡的に残った。毎秋地域をあげて行ってきた小鎚神社の例大祭で今年も神輿を担いで町民を励ますために、小鎚神社の神輿を担ぐ人たちの会(社人会)100名が立ち上がり、神輿を担ぐ際に着用する必要のある官服(かんぷく)の支度から始める。


小鎚神社例大祭
城山虎舞(岩手県)
2011年9月24~25日
岩手県上閉伊郡大槌町 小鎚神社境内 

★1996年に発足した岩手県大槌町の郷土芸能団体「城山虎舞(しろやまとらまい)」は、大津波の被害で、活動の基盤となる会館、虎頭、太鼓、山車、衣装、小道具等が甚大かつ深刻な被害を受けた。子どもや若者が将来的に虎舞を伝承していくことが大槌町復興再生の原動力となることから、まずは小鎚神社の例大祭をめざし、虎舞を披露できるよう用具を揃えていく。


民俗芸能保存会調査

たびれっじ推進協議会(岩手県)
2011年8月~9月(予定)
岩手県一関市を起点に近隣の東北沿岸被災地

★近隣の東北沿岸被災地(一関・気仙沼・大船渡・陸前高田・釜石等)の民俗芸能について、被災状況や復旧状況など不明点が多い保存会の実態調査を行う。各保存会を個別に訪問したヒアリング調査の結果はHP等で公開し、今後の支援策の検討資料とする。


被災地でこそエル・システマ
エル・システマ無償の音楽教育推進協会福島(京都府)
2011年8月~2012年3月
福島県郡山市、福島市(予定)、岩手県大船渡市

★南米ベネズエラで始まった楽器貸与の無償音楽教育による青少年育成運動「エル・システマ」を、被災地で実践する。一流の音楽家の協力を得て、無料で音楽を学べる機会を導入することで、津波や地震、放射能問題で喪失感のある子どもやその親が、孤立感に悩まないようサポートしていく。


多賀城「万葉復興祭」―万葉の灯(鎮魂祭)・アラハバキの灯(希望祭)
社団法人塩釜青年会議所(宮城県)
2011年10月9日
宮城県多賀城政庁跡(多賀城市市川城前)、多賀城碑

★炊き出しや給水、物資提供等、地元住民とともに復興に向けて努力する中、復興財源確保のため行政主導の「多賀城万葉まつり」が中止となり市民の楽しみがなくなった。なんとか震災の犠牲になった方々の鎮魂と復興へ向けた市民の元気回復を願う機会を設けたいと「万葉復興祭」を行う。行燈を灯し、花火をあげ、伝統文化に触れる機会を作り、地域再生の一助とする。


うごく七夕・川原七夕祭組復興プロジェクト

川原七夕祭組(岩手県)
2011/2012年8月7日、2012年正月
岩手県陸前高田市高寿園、高田高校仮設住宅

★大津波で中心街がすべて流出した陸前高田市では、毎年8/7に七夕祭りを開催。「うごく七夕」「けんか七夕」「海上七夕」など、住民総出で準備する華麗な七夕飾りをつけた数十台の山車が勇壮な七夕囃子に合わせて運行。獅子舞とともに地域に欠かせない郷土芸能だったが、今回甚大な被害を受けた。祭りで見られた地域の繋がりを維持し、地域を復興再生するためにも七夕や獅子舞の復興に力を入れていく。


被災文化財(文書等)の復旧支援
東京文書救援隊(東京都)
2011年8月~9月
宮城県石巻市 石巻文化センター

★震災で損傷・流出した歴史遺産を含む数多くの貴重な文書・記録・書籍・写真等の復旧・復興支援を行う。熟練修復専門家が不要で、簡便・迅速・効率的な文書復旧システムを被災地の概要施設に導入、作業スタッフに対する短期研修を実施し、被災地自らが今後も文書普及に取り組める道筋をつける。
【twitter】


大槌・向川原虎舞復興プロジェクト

向川原虎舞風虎会(岩手県)
2011年9月24日
岩手県上閉伊郡大槌町 小鎚神社境内

★毎年9月第3土日に行われる小鎚神社の例大祭は神輿、鹿踊り、大神楽、虎舞、七福神、手踊り、2キロ千名の大行列と神輿の水ごり等で盛り上がる一大行事だった。1947年発足の「向川原虎舞風虎会」は、青年が伝承を担い地域の結束力と誇りを高めてきたが、大津波で道具等がほとんど流出、町内の虎舞4団体がつくる連合協議会で道具を貸し借りしている状態である。地域復興再生の力となるよう、虎舞の復興に注力する。


「Referendum―国民投票プロジェクト」
Port B(埼玉県)
2011年10月11日~11月13日
福島県内各地および東京都内各地

★大震災および原発事故がもたらした現実に、今芸術が果たすべき一つの形を示す演劇プロジェクト。福島と東京の子どもたちに「夢」をインタビューし、移動型映像インスタレーションとして、改造キャラバンカーで両地を巡回、他方から提案された交流のあり方や自分の未来、日本の過去・現在・未来について対話を重ねていく。原子力をめぐる議論からも現実を掴み直し、未来へ向かうためのきっかけとする。



いわき総合高等学校演劇部「Final Fantasy for XI.mar.MMXI」東京公演
五反田団アトリエヘリコプター(東京都)
2011年12月21日~23日
東京都内(アトリエヘリコプター、筑波大付属駒場中・高等学校)

★いわき総合高等学校演劇部が、震災後に創作した作品を、東京で上演するプロジェクト。震災・原発災害に対する怒りや痛みへの祈り、どうにもならない今を、どうにもならないままぶつけることで創作された「Final Fantasy for XI.mar.MMXI」を、福島以外の場所で上演し、たくさんの人に見てもらいたいと願ういわき総合高等学校演劇部の希望を実現し、復興の小さな一歩とする。


南三陸町・行山流水戸辺鹿子躍復興プロジェクト
行山流水戸辺鹿子躍保存会(宮城県)
2011年8月14日~毎年8月14日
宮城県南三陸町 慈眼寺

★宮城県北から岩手県南に伝わる鹿踊で最も多い「行山(ぎょうざん)流」発祥の地、宮城県南三陸町戸倉の水戸辺(みとべ)地区は、享保9年(1724年)の鹿踊り供養の石碑発見を契機に1993年、300年振りに復活した。しかし津波ですべての道具が流された。瓦礫の中から奇跡的に小学生用の太鼓や鹿頭を発見し応急修繕したが、不足した道具は借りながら踊り始めた。今まで伝えてきた日常を取り戻すため道具を準備しながら、南三陸町復興の旗振り役として踊り続けていく。


三陸海の盆

「三陸海の盆」実行委員会(岩手県)
2011年8月7日~16日
岩手県大槌町 まごころ広場うすざわ、大船渡市末咲町

★被災地である三陸沿岸部の元気回復復興支援事業。犠牲者を供養し、被災地と支援地が想いを共有するために、各地のお盆の風習を尊重したうえで毎年のお盆を「三陸海の盆」と呼称し、法要、各地の郷土芸能、精霊流し等を行う。各地の郷土芸能の復活によって、歴史を復活し郷土を復活することも目的とする。


荒井良二とふらっぐしっぷ
学校法人東北芸術工科大学(山形県)
2011年6月~2011年10月
ビルド・フルーガス/塩竈市ギャラリー、渡波小学校/石巻市、多賀城市市民活動サポートセンター、荒浜海岸/仙台市、せんだい演劇工房10-BOX/仙台市、やまがた藝術学舎/山形市
★山形出身のイラストレーター・絵本作家 荒井良二氏が、学生たちとともに被災した宮城県沿岸部5地域を訪問し、社会福祉協議会やNGO、NPO、地元商店街、教育委員会等と連携して行うディスカッションとワークショップ・ツアー。被災地で日々懸命に生きる人々との対話(声・言葉)をもとに即興的に描かれていく絵をフラッグ(旗)に仕立て、キャラバンが巡航するルートに掲げていく。
【blog】


東日本大震災復興支援上映プロジェクト「ともにある Cinema With Us」
特定非営利活動法人山形国際ドキュメンタリー映画祭(山形県)
2011年10月~2012年3月
山形市内の映画館・公共施設、被災地の公共施設等

★山形ドキュメンタリー映画祭は、震災直後から山形県内の避難所や宮城・福島の被災地、避難所を訪れ、NGO活動家や地元被災者と協力し、心のケアとして無料上映活動を続けてきた。その経緯から今回の映画祭2011でも震災や復興をテーマとした上映やシンポジウムの必要性を感じ、企画を立ち上げた。国際映画祭という場を活用した世界への情報発信や、上演作品をパッケージ化した被災地での巡回上演、ワークショップを開催する。


被災地の再生に向けた民間歴史資料の救出・修復プロジェクト
歴史資料ネットワーク
(兵庫県)
2011年9月1日~2012年3月31日
NPO法人宮城歴史資料保全ネットワーク事務局(仙台市)

★震災によって、アルバム、日記帳、古文書、民具、自治会文書等地域の文化、暮らしを伝える歴史資料が被災した。しかし、国や県が管理する指定文化財と異なり、民間の歴史資料の救出・修復は有志のボランティアが支えているのが現状である。歴史資料ネットワーク(史料ネット)は全国の歴史学会や歴史研究者によるボランティア組織であり、阪神大震災当時から活動を重ねている。長年の知見により今回も被災した民間歴史資料の救出活動を行う。

 【blog】


石巻震災土蔵メモリアル基金 

石巻若宮丸漂流民の会(宮城県)
2011年8月~
宮城県石巻市門脇町ほか

★大津波で壊滅的な被害を受けた石巻市沿岸部で、奇跡的に流出・倒壊を免れた土蔵が1棟残された。明治30年に建築されたこの蔵は、港町石巻の歴史を語る上で欠かせないものであり、明治時代に建てられ唯一残った建築物として、また震災の記憶を未来に伝えるメモリアル、復興のシンボルとして保存していく。

(選考日:2011年8月4日、新規採択件数:23件、助成総額:12,263,600万円。前回までの採択活動に対する寄付先指定による寄付を含めた今回の助成総額は 14,035,489 円)


【GBFund 第3回助成活動一覧】
活動名/実施者・団体名(所在地)/実施日/場所/活動内容
有限会社3D-FACTORY(宮城県)
2011年6月~11月
石巻北高校飯野川校校舎(雄野中学校移転先)

★石巻市立雄勝(おがつ)中学校では、地域芸能継承授業として和太鼓を通じた教育や演目の継承、地域連携を図ってきたが、このたびの震災で、和太鼓の流出、学校の被災、指導者の犠牲等があり、活動再開が困難な状況にある。学校からの要望を受け、11月に「復興太鼓」として児童たちが演奏できるよう、演奏指導や楽器貸し出し等の支援を行う。

2011年5月11日以降~半永久的に

★宮城県仙台市沿岸部大震災で建物が跡形もなくなった沿岸部地域を、何事もなかったかのようにきれいなまちに戻すのではなく、後世に震災の記憶を伝える「もの」をメモリアルオブジェクトとして「のこすプロジェクト」を行う。震災が残した大きな爪痕である、原型をとどめない瓦礫や残骸等に、アート的な視点を加え、地域復興の原点とするシンボル的拠点をつくり、伝えていく

【twitter】

被災地支援 「舞台芸術鑑賞&交流プロジェクト」
2011年6月下旬、11月を予定
岩手県釜石市釜石公民館、他近隣公民館

★釜石の文化教育関係者からの要請を受け、子どもたちとその家族、避難所の方々を対象に、音楽(和太鼓)とダンスの舞台芸術鑑賞会と、ワークショップ形式の交流会を開催する(コンドルズ/ヒダノ修一と仲間たち)。被災したアーティストらも活動に参加することで、現地の芸術団体やアーティストに活動の機会をつくり活性化を図る。

演劇「カタクリの花の咲く頃」 大船渡公演  ※諸事情により中止となりました
2011年11月(日程相談中)
大船渡市文化会館 リアスホール
★生命尊重と保健・医療・福祉・教育重視の村政で知られる岩手県沢内村(現・西和賀町)の歩みを描く本作品は、本年2月に物語の現地で初演され、11月に盛岡市内で公演予定だった。上演を支えてきた現地の医療関係者が、震災後支援に入った大船渡の現状を知り、被災地の方々の心の支援を願って、復興のエールとして大船渡での公演を実現する。

東北九州プロジェクト実行委員会(福岡県)
2011年7月~2012年5月
九州内にある商業施設の空きスペースあるいはイベントブース・文化施設・ギャラリー等
★「見せる場・売る場・見る人・買う人」が激減している東北においても「生み出す力」は残されている。東北のアーティストやデザイナーの作品を、九州各地の連携施設で管理・保管・展示・販売し、九州の経済力で東北の創造力復活を後押しする。義援金や寄付と異なる方法で、文化面、九州から、中長期的に東北と連携して復興支援に取組む。

2011年4月4日~2013年3月31日
福室市民センター(仙台市)、社会福祉法人慶和会花いちもんめ(東松島市)、知的障碍者支援施設多夢多夢舎中山工房(仙台市)、社会福祉法人しおかぜ福祉会(岩沼市)
★震災後、不眠や運動不足、抑うつ、声が出にくい等、不安と緊張の毎日を過ごす高齢者や障がい者の方々を対象に、ダンサーや俳優を施設に派遣。ストレッチやマッサージ、コミュニケーションゲーム、紙芝居、演奏、映画上映、美術、朗読、お茶を飲みながらの対話等を通じて、心身の緊張を解きほぐし、ほっとするひと時、ストレス発散や交流の場を提供する。
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TSUMUGUプロジェクト実行委員会(福島県)
2011年8月13日~15日
いわき市内の盂蘭盆を迎える家々
★福島県いわき市の夏の年中行事で、盂蘭盆を迎える家々を廻り奉納される供養の踊り「じゃんがら念仏踊り」は、江戸時代から続く同市の指定無形民俗文化財の一つ。今夏、地元の3つの青年会とともに、じゃんがらとそれに関わる人々の思いを記録し発信することで、震災や原発事故で分断されようとしている土地の記憶をどう紡いでいくかを考える。

震災孤族を防ぐ ジャズコミュニティーカフェプロジェクト
2011年8月19日、20日
岩手県陸前高田市高田町本丸公園(ジャズ喫茶「h.イマジン」跡地)、岩手県大船渡市盛川(仮店舗)神奈川県横浜市中区(ジャズ喫茶「ちぐさ」限定復活店舗)
★人々に親しまれた陸前高田市のジャズ喫茶「h.イマジン」は、大震災の津波被害で全壊喪失したが、店主が無料のコーヒーと寄付された蓄音機を携えて避難所をまわり、ジャズ音楽を通して被災者の交流の場をつくった。その活動を横浜のジャズ喫茶と協力してさらに充実させ、「簡易ジャズ喫茶」を避難所や仮設住宅に設置。人の集まれる場を提供し、震災孤族を防ぎ、新たなコミュニティーづくりの第一歩とする。

東日本大震災 被災郷土芸能復興プロジェクトin大船渡・越喜来
2011年6月上旬~8月お盆
岩手県大船渡市三陸町越喜来地区内の被災集落、各家、共同墓地等
★大震災の津波被害で、岩手県大船渡市三陸町越喜来(おきらい)地区の浦浜念仏剣舞保存会、金津流浦浜獅子踊保存会の活動拠点である合同詰所が全壊、道具や太鼓の多くが流失・破損した。「鎮魂」を根底に地域の先達から継承してきた両郷土芸能の意義を再確認し、道具・装束を再整備、稽古を再開し、今夏のお盆に鎮魂と復興を祈る公演を目指す。

小渕浜の獅子舞復活プロジェクト
小渕浜の獅子舞復活プロジェクト(宮城県)
2011年6月~8月
仙台駅東口 宮城野通り
★住民の多くが漁師である宮城県石巻市の小渕浜地区は、震災で甚大な被害を受け復興の見通しが立たない。江戸時代以前から地域に伝わる民俗芸能であり、漁師たちの誇りでもある獅子舞も津波で流失した。獅子頭を復元し、獅子舞を今夏に復活するという短期的な目標を掲げ、皆で実現することで、漁師の誇りを取り戻し、港の集落復興にもつなげていく。

財団法人石巻市文化スポーツ振興公社(宮城県)
2011年6月~11月
石巻市内小学校、中学校、高等学校、幼稚園および施設や企業
★震災で甚大な被害を受けた石巻市では公共ホールや施設が多数被災し、いまだ一部の学校や施設は避難所である。被災者でもある企画者自身が支援の必要性を感じる、避難所の学校の児童・生徒・職員を対象に、同公社が培ってきた学校アウトリーチ事業の経験とネットワーク、アーティストとの信頼関係をいかして復興支援コンサートを開催する。

仰山流笹崎鹿踊保存会
仰山流笹崎鹿踊保存会(岩手県)
2011年7月~
岩手県大船渡市
★岩手県大船渡市笹崎地区では先祖代々「仰山流笹崎鹿踊(ししおどり)」を継承してきたが、大震災が引き起こした大津波により、装束(鹿頭、鹿角など)ならびに、太鼓、付属品の一切を流失した。装束一式を揃え直し、郷土芸能活動再開するために動き出す。


八幡大神楽
八幡大神楽(岩手県)
2011年9月~
岩手県下閉伊郡
★岩手県山田町では、地元の山田八幡宮に奉納する芸能として「八幡大神楽」を明治時代から継承してきたが、今回の震災による火災で常宿としていた建物が全焼しほとんどの道具を焼失した。獅子頭や太鼓、衣装等、継承に必要な道具を揃え、八幡大神楽を復活させる。
【YouTube】

(選考日:2011年6月16日、採択件数:13件、助成総額:534万円[寄付先指定による助成含む])


【GBFund 第2回助成活動一覧】  
活動名/実施者・団体名(所在地)/実施日/場所/活動内容

2011年6月1日~2012年7月31日
岩手県陸前高田市、岩手県内保育所(陸前高田市、野田村、宮古市、釜石市)
★岩手県沿岸の被災地で楽器が流出したことにより、伝統文化行事や幼児の音楽教育に支障が出ていることから、和太鼓やピアノを必要とする団体等に届ける支援活動。夏の祭に向けて太鼓の購入や、ピアノの購入・修復をおこなっていく

プロジェクトFUKUSHIMA!(東京都)
2011年8月1日~2012年3月31日
四季の里(福島県福島市)、郡山コミュニティFM「KOCOラジ」
★「FUKUSHIMA」の問題を世界の人々と共有すべく、音楽家の大友良英、遠藤ミチロウ、詩人の和合亮一を中心に福島に縁のある表現者が集まり、総合的なアートフェスティバルを開催。インターネットTV「DOMMUNE FUKUSHIMA!」で福島の今を継続的に発信していく。
【twitter】

2011年7月9日~7月30日
大河原町えずこホール、仙台市錦町公園、大崎市荒雄公演、ほうねん座民俗芸能センター(宮城県)
★震災後、自分たちに何ができるのか?被災地の劇団だからこそできることはないか?仙台に根ざし活動してきた劇団として、舞台を通して一人でも多くの人に元気を届けるため、宮城県内の公園など4カ所をまわる無料公演ツアーを行う。

ドラムカフェジャパン(宮城県)
2011年5月16日~8月12日 
宮城県、岩手県、福島県内の学校、病院、避難所、特別養護老人施設
★南アフリカ共和国で誕生したドラミング、現地からアーティスト3名を招き、数十名の被災者が参加するインタラクティブなドラミングセッションをおこなう。ドラム50個を車に積み、被災地の学校や病院、避難所などを巡回、80ヵ所の訪問をめざす。
【blog】

特定非営利活動法人芸術資源開発機構(ARDA) (東京都)
2011年5月2日~6月6日
七ヶ浜生涯学習センター(宮城県宮城郡)、JR長町駅前広場駅前プラザ(宮城県仙台市)
★避難所の子どもたちを対象に、ダンサー・新井英夫が体を「ほぐす・つながる・あそぶ」ワークショップを、美術家の中津川浩章が体で描く「アクション・お絵かき!」をおこなう。仮設住宅が建設される長町駅前でも同様のワークショップをおこなう。
【bolg】

特定非営利活動法人DoTankみやぎ「地域政策研究行動会議」(宮城県)
2011年6月~9月末
石巻市河北総合センター他、各避難所を中心に、幼稚園や保育所、学校など(宮城県)
★避難所で希望者の写真を撮影し、写真とメッセージを離れ離れになっている家族や親戚、友人に届けるプロジェクト。笑顔の写真と安否等のメッセージを伝えるとともに、その相手に笑顔と元気も届ける目的で活動する。
【twitter】

コンテンツ計画(東京都)
2011年5月下旬~数カ月(第一期)
岩手県、福島県、宮城県の地区集会所や公民館、学校、病院など
★落語を中心とした寄席を、被災地の集会所や公民館、病院や学校などで開催。立川志らく一門、柳家さん喬一門の落語家らが出演し、人情噺やお楽しみ演芸を披露する。小規模な被災地域を訪問する長期的な活動の第一弾。
【blog】

オフィスヨコタ(東京都)
2011年5月31日、6月9日、11日
宮城県南三陸町、松島町、福島県西白河郡西郷村
★ニューヨーク在住の日本人ジャズピアニスト・三上クニが率いるトリオによるジャズコンサートを、避難所や被災した商店街の会場などで実施。子どもから年配者まで楽しめる曲目を生演奏する。東北以外の地域でもツアーをおこない、チャリティコンサートとして義援金も募る。
【blog】

TohokuCraft(東京都)
2011年6月24日~2012年3月31日
東北地方にある避難所や仮設住宅等
★避難所にいる方々と、編み物や手芸、ダンボールを活用した家具づくりなど、実用的なものを一緒につくる会を開催。クリエイターやアーティストが避難所を訪れ、被災者自らの手で自分たちの必要なもの、ほしいものをつくっていく。

LibHUB(東京都)
2011年6月17日~8月下旬
TRUNK-Creative Office Sharing-(宮城県)、アーツ千代田3331(東京都)
★もともと建築や音楽などのクリエイティブシーンが盛んな仙台の魅力や、仙台在住のクリエイターの震災以降の姿を、ウェブやフリーペーパー、展覧会などで横断的に紹介する。展覧会とトークイベントを仙台・東京双方で開催するなど、人的交流も促進する。
【facebook】




ARTS for HOPE
ARTS for HOPE(東京都)
2011年6月~2013年6月
被災地全域(宮城県、岩手県、青森県を中心に茨城、福島など)
★被災者を対象に、アートを通した心のケア(ホスピタルアート)を目的に活動。被災地域の子どもたちや高齢者を中心に、心穏やかな創作活動の時間を提供する。現地のスタッフと連携して長期的(10年間)に活動を展開していく予定。
【twitter】

デイリリーアートサーカス2011事務局(山梨県)
2011年8月6日~9月5日
岩手県、青森県、宮城県、福島県、茨城県、兵庫県、京都府、大阪府、愛知県、静岡県、山梨県、神奈川県、東京都、埼玉県、千葉県
★トラックにアート作品を詰め込み、西日本から東日本へ移動しながら展覧会を開催。被災地を中心に全国30ヵ所を巡回する。ソフト彫刻を中心に、どの場所でも子どもたちが楽しめる、ドキドキする内容の作品を展示し、ワークショップもあわせて実施する。【twitter】

特定非営利活動法人アートNPOリンク(京都府)
2011年3月20日~2013年3月末
東北地方各所
★アーティストおよびアートNPOの表現の回復を推進すべく、被災地での活動支援、WEBでの情報発信、物資の提供、アートNPOのコーディネートをおこなう。被災地のアーティストやアートNPOとの協働により活動を展開するプラットフォーム。
【twitter】

「海に沈んだ写真の記憶」(短編ドキュメンタリー・20分)
TimeRiver Pcitures(東京都)
2011年6月1日~8月下旬
南相馬市、石巻市、気仙沼市(撮影)、東京都(編集)
★瓦礫の中から見つかった写真を元通りに修復し、持ち主に返す「写真修復」ボランティア活動が各地で始まっている。当活動では、ボランティアによる修復活動や、持ち主と写真の思い出などを映像で記録する短編のドキュメンタリーを制作。英語字幕をつけウェブサイトにて公開する。


(選考日:2011年5月24日、採択件数:14件、助成総額:835万4千円)


【GBFund 第1回助成活動一覧】
  


活動名/実施者・団体名(所在地)/実施日/場所/活動内容

“生きる”博覧会2011 
ENVISI(宮城県)
2011年5月11日、2011年8月13日~21日、2011年8月~12月
宮城県南三陸町、集団避難先(大崎市・登米市・栗原市・加美町)
★津波により壊滅的な被害を受けた南三陸町。「きりこ」と呼ばれる切り紙に人々思い出や物語を刻みながら、再生に向けて町民の心をつなげていくプロジェクトを展開する。震災から2ヶ月経つ5.11には黙祷の会で追悼の曲を歌い、8月のお盆では、八幡川での「かがり火まつり」にあわせて「きりこ」を展示。集団避難所でも「南三陸ストーリー」の朗読と「きりこ」づくりを行う。
【twitter】



飛びだすビルド!のワークショップ 「ダンスでクイズ」
ビルド・フルーガス(宮城県)
2011年6月10日
日和幼稚園(宮城県石巻市)

★被災された方々が「アートの力」で前向きな力を取り戻し、明るい未来を創造できるよう、主に子どもたちを対象にしたアートワークショップを実施。今回は、被災前より当団体がワークショップを行ってきた幼稚園で、ダンス・お絵かき・クイズの要素を取り入れた多人数参加型のプログラムを展開する。
【blog】



『ミツバチの羽音と地球の回転』上映会
三凾座リバースプロジェクト実行委員会(福島県)
2011年5月4日~5日
burrows(福島県いわき市)

★映画『ミツバチの羽音と地球の回転』は、上関原発計画に向き合う山口県祝島の人々と、スウェーデンで持続可能な社会を構築する人々の取り組みを描く。未来のエネルギーがテーマの映画を上映することで、今後のいわきのエネルギー問題について考える。監督の鎌仲ひとみ氏を招いての対談も実施。
【blog】




ARTS for HOPE 
ARTS for HOPE(東京都)2011年4月下旬-2012年3月
被災地域全域(宮城県、岩手県、青森県を中心に茨城県、福島県など)
★被災者を対象に、アートを通した心のケア(ホスピタルアート)を目的に活動。被災地域の子どもたちや高齢者を中心に、心穏やかな創作活動の時間を提供。現地のスタッフと連携して長期的(10年間)に活動を展開していく予定。
【twitter】

東日本大震災 震災復興記録プロジェクト
特定非営利活動法人remo /記録と表現とメディアのための組織(大阪府)
2011年5月1日~2012年3月
★宮城県の被災地、仙台市、せんだいメディアテーク

震災の記憶や復興の経過を、アーティストや被災した市民自らがビデオなどの映像で記録。避難所で過ごす当事者による撮影や、身近な表現ツールでの記録活動と協調しながら、映像による震災の記憶を多様な視点で留めていく。人々の交流を生み出すソーシャル・メディアとしての可能性を探るとともに、被災地の無形の文化資源をアーカイブする。


桜の散歩撮影会+イザウラ氏コンサート+天野裕氏氏写真展「鋭漂」

尚光堂(宮城県)
2011年4月29日
尚光堂店内、塩竈神社、みなと公園(宮城県塩竈市)

★みんなが笑顔をみてお互い元気になれればと、塩竈市で毎年桜が満開になる時期合わせて写真と音楽のイベントを開催する。桜の散歩撮影会(尚光堂:写真店)、仙台市出身のイザウラ氏コンサート、2009年塩竈フォトフェスティバル大賞受賞・天野裕氏氏の写真展を同日に実施。




“水戸の復興に祈りをこめて”水戸芸術館専属楽団メンバーと水戸の若者たちによるコンサート
水戸市芸術振興財団(茨城県)
2011年5月14日
水戸市総合運動公園体育館(茨城県水戸市)
「被災した市民の心を音楽で支える」ため、水戸室内管弦楽団やATMアンサンブルのメンバーの他、地元の中高生とともに無料演奏会を開催。茨城ゆかりの作詞家の曲を、出演者全員で演奏、参加者全員で合唱するプログラムも実施する。
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3.11絵本プロジェクト(被災地の子どもたちに絵本を届けよう!)

3.11絵本プロジェクトいわて(岩手県)
2011年3月29日~2012年3月31日
青森県南部、岩手県、宮城県北部の被災地(絵本の届け先)

★全国より集めた絵本を被災地の子どもたちに直接届けるとともに、演劇人やアナウンサー、読み聞かせボランティアらが現地で読み語りなどを行う。また、軽自動車型の「絵本カー」を製作して被災地を巡回するほか、流出した図書館には児童図書を贈呈。被災地の子どもたちの心のケアを目的として活動を展開する。

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八戸レビュウ・震災復興アーカイブプロジェクト
八戸市(青森県)
2011年4月16日~2012年3月31日
八戸ポータルミュージアム・はっち、八戸市沿岸部中心(青森県)

★88人の市民が88人の市民を取材し、3人の写真家が写真に納める「八戸レビュウ」。同プロジェクトの参加者により、八戸レビュウ88景にまつわる情報収集と被災者への取材、八戸港や水産業の復興への道のりをアーカイブする。アーティストとともに市民ライターや地元写真家が捉えた八戸の魅力を、図録やアプリのコンテンツとして発信する。


Art Revival Connection TOHOKU
Art Revival Connection TOHOKU(宮城県)
2011年4月4日~2013年3月31日
宮城、岩手、福島の被災地

★東北の舞台芸術関係者が集い、ネットワークを構築。表現を通して被災者の心をケアできるよう、避難所でダンサーがストレッチ体操を行ったり、俳優による紙芝居や朗読劇など、現地のニーズに応じた活動を展開。さらに、被災した人々の声に耳を傾け、震災を語り継ぎ、地域の物語を紡ぐような作品を創ることをめざす。

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光灯せし希望と祈りの太鼓プロジェクト
上田秀一郎(東京都)2011年4月23日~2011年5月28日
宮城県を中心とした被災地

★阪神・淡路大震災での被災経験を持つ太鼓奏者の上田秀一郎氏が、気仙沼や南三陸町など被災地での激励演奏を企画。陸前高田で毎年おこなわれる「全国太鼓フェスティバル」参加者とも連携し、被災地の状況を調査しつつ、太鼓で被災者を激励していく。







(選考日:2011年4月18日、採択件数:11件、助成総額:245万円)