GBFund (ジービーファンド、G:芸術、B:文化、F:復興/ファンド)は、 2011年3月23日に企業メセナ協議会が立ち上げた芸術・文化による復興支援ファンドです。趣旨に賛同くださった寄付者とともに、今後5年間、被災者・被災地を応援する目的で行われる芸術・文化活動や、被災地の有形無形の文化資源を再生する活動を支援してまいります。

東日本大震災復興支援のための日米協力:ファンディング会合@NYに参加してきました

先月、NYで開催された東日本大震災復興支援のための日米ファンディング会合に参加してきました(主催:日本国際交流センター、国際交流基金日米センター)。

震災発生後、甚大な被害に対して世界各国から前例のない規模の支援が寄せられています。米国では震災支援のための民間寄付が4月上旬時点で3億ドル(約240億円)を超えたとも言われています。本来は助成団体ではない日米友好団体等にも多額の寄付が寄せられました。
集まった寄付は、震災発生直後は「義援金」として日本に届けられることが多かったものの、次第に復興支援に活躍するNPO等民間活動への直接寄付の要望も高まっています。
しかし日本のNPOセクターや被災地の情報が不足していること、国境を超える寄付金授受の仕組みが整っていないことから(国際社会から寄付を受ける経験が近年の日本にはなかったのですね)、米国の民間団体が思うように寄付を届けられない現状があります。一部団体への寄付の偏在という課題も指摘されています。
こうした問題を解決するため、日本のNPO関係者と米国の震災寄付を行っている(関心のある)団体が一堂に会し、情報交換を行ったのでした(詳細レポート)。

企業メセナ協議会の役割は、芸術・文化分野における復興支援の全体現状をレポートすることでした。プレゼンにおいては、復興支援における文化の役割や、文化は他分野と比較して寄付が極めて少ない現状も説明しました(プレゼン資料PDF:188KB)。
米国側の会合参加者からは、文化分野の復興支援に対して、たくさんの賛同と励ましをいただきました(予想以上でこちらが驚くほどでした)。文化財の被災状況、心のケア、コミュニティーの絆となる地域文化などに関心が寄せられました。

こうした米国の支援者の賛同と励ましに対し、資金を必要とする復興支援に携わる日本の芸術・文化関係者がすぐにでも対応すべきことは何か?―――それは、何よりも「情報発信」だと確信しました。「ここで、このような活動をしています。この活動には具体的にいくらの資金が必要です」と明確に伝えること。そして活動報告を欠かさないこと。なんとか日本の復興に協力したいと手を差し伸べてくれている海外の支援者(在外の日本人も含む)は、その手をどこに差し出したら自分の寄付がより有効に生かしてもらえるかわからないという現状に対し、日本の芸術・文化関係者があちこちから声を上げていかねばならないと思いました。外からは、日本国内で芸術・文化分野におけるさまざまな復興支援活動が存在することがよく見えていない。情報を共有できたプレゼン後の、こちらがびっくりするようなポジティブな反応は、「知らなかったよ!」ということでもあったのではと思います。

言葉の問題が立ちはだかります。日本は今後も国際社会から支援を受けることがあると考えられるので、これはどうにかクリアしていく必要があります。少なくとも、国レベル=文化庁や行政等、体力のある大きな公的機関は、率先して自らこまめにバイリンガル発信していくことが求められるでしょう(非常時だけでなく平時においてもですが)。
ファンディング会合でも言葉の問題はやはり話題となり、翻訳等の支援含む、日本のNPOセクターのキャパシティビルディングサポートについても話し合われましたが、日本国内でもそうした助成の仕組みづくりが求められます。

ファンディング会合については、正式な報告の機会があるかもしれませんので、本ブログでご案内します。
【文責:若林】