GBFund (ジービーファンド、G:芸術、B:文化、F:復興/ファンド)は、 2011年3月23日に企業メセナ協議会が立ち上げた芸術・文化による復興支援ファンドです。趣旨に賛同くださった寄付者とともに、今後5年間、被災者・被災地を応援する目的で行われる芸術・文化活動や、被災地の有形無形の文化資源を再生する活動を支援してまいります。

8/18読売新聞社説に「震災被害 官民で被災地の文化支援を」の記事掲載

8/18読売新聞社説に「震災被害 官民で被災地の文化支援を」の記事が掲載されました。GBFundが紹介されています。YOMIURI ONLINEから下記に転記します。
----------------------------------
震災被害 官民で被災地の文化支援を(8月18日付・読売社説) 

岩手県大船渡市に江戸時代から伝わる8月の鎮魂行事「浦浜念仏剣舞(けんばい)」が、今年も行われた。
 東日本大震災の津波で太鼓などの道具が流されたものの、東京の歌舞団から道具や義援金が届けられた。
 例年通り家々を訪ねて踊った剣舞は、震災で亡くなった人の初盆の供養にもなったことだろう。
 東北地方は、郷土芸能や祭事の宝庫である。
 先月末には、東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響で開催が危ぶまれていた福島県の「相馬野馬追(のまおい)」が、規模を縮小しながらも実施され、1000年を超える伝統の灯を守った。
 文化の営みは人々の心を癒やし、豊かにする。被災地の文化活動を絶やさぬよう、支援していくことが大事だ。
 今回の大規模震災では、数多くの文化財が被害を受けた。その修復も課題である。
 国宝と国の重要文化財だけでも約160件の被災が確認された。これらは文化財保護法によって、必要に応じ国庫負担で修理が認められている。だが、その他の文化財の修復にはそうした国による財政的な支援がない。
 茨城県では五浦(いづら)海岸にある国登録有形文化財、六角堂が津波で流された。明治の美術思想家、岡倉天心が建てた朱塗りの堂である。幸い全国から寄付金が集まり、近く復元されることになった。
 文化庁は、緊急措置として文化財レスキュー事業をスタートさせた。全国の教育委員会や博物館などに専門職員の派遣を呼びかけ、国宝、重文に限らず修復・保存作業を進めている。
 津波で破壊された宮城県石巻市の石巻文化センターからは、絵画や考古学資料など数万点がレスキュー隊によって他の施設に運び出された。所蔵品に付着した泥やカビを取り除き、ぬれた紙の資料は特殊技術で乾燥させた。
 しかし、公的機関の善意に期待するだけでは限界がある。
 文化活動に取り組む企業で組織する企業メセナ協議会は、復興支援ファンドを設け、これまでに61事業を対象に総額3017万円の助成を決めた。被災地の郷土芸能の復興、楽器の寄贈や史料修復などの取り組みを支える。
 官民で被災地の情報を共有し、効果的な文化支援を進めていくべきだろう。
 震災で壊れたホールや劇場の修復も急がなければならない。
 資金面も含め、政府は積極的に支援を検討すべきだ。
----------------------
(2011/8/20)